セイロニスト、やめたら人生ラクになった話

セイロニスト、やめたら人生ラクになった話

「仕事でしょ⁉」

若い頃の私は、このひと言が口ぐせでした。
誰かが仕事の大変さをこぼそうものなら、「それが仕事だから」とピシャリ。

相手が黙るのを見て「よし」とすら思っていたんです。
でも正直なところ、自分の心の中もザワついていました。

いま思えば、私は立派な「セイロニスト」だったんだなぁと苦笑い。
——そう、正論ばかりを振りかざす人です。


セイロニストの落とし穴

正論はたしかに正しい。
けれど、人の気持ちには届かない。

だから、セイロニストの周りには「言っても無駄」という空気が漂いがちです。

たとえば部下が「作業が多くて追いつきません」と相談してきたとき。

「仕事でしょ⁉」と返せば相手は「ですよね」としか言えません。
でもその裏で、心のシャッターはガラガラと下りているかもしれない。

気づけば、自分ひとりで戦っているような孤独感。
これがセイロニスト最大の落とし穴です。


正論を脇に置けば、人間関係はラクになる

40代・50代の今こそ、セイロニスト卒業のタイミング。
コツはとてもシンプル。「正論をすぐに出さないこと」です。

たとえば部下の「大変です…」に、「それが仕事でしょ⁉」ではなく、「そっか、この資料大変だよね」と一言寄り添う。

たったこれだけで、相手は「わかってもらえた」と感じます。

そこから「じゃあどうしようか?」と前向きな会話ができるんです。

正論を急がなくても、何も困りません。むしろその方が、驚くほど物事がスムーズに進みます。


まとめ:自信は人間関係の中で育つ

かつての私は、「結果を出せば自信がつく」と思い込んでいました。

でも今ならはっきりわかります。
自分が変わると、人との関係が変わる。関係が変わると、「私、これでいいんだ」と自己肯定感が育っていく。

自信って、人間関係のなかでこそ育まれるものなんです。


もしあなたの中にセイロニストの要素があれば、卒業しませんか?

正論で押し切るより、人の気持ちにふっと寄り添うほうが、自分の心まで軽くなるはずですよ。